サピエンス全史あらすじは?コメント・書評・読書感想

   

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ちょっと前ですが、NHKの番組内で一冊の本が特集されていました。

「サピエンス全史」というタイトルで、オバマ前アメリカ大統領や
ビル・ゲイツ氏、マーク・ザッカーバーグ氏なども称賛しています。

また、番組内では池上彰氏が本書の著者にインタビューされていました。

著者はユヴァル・ノア・ハラリ氏、
ヘブライ大学で歴史学を教えている方だそうです。

気になって読んでみたので感想を書きたいと思います。

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サピエンス全史あらすじは?

サピエンス全史では、他の通史にない独特の視点から人類史が読み解かれています。
「人類は虚構によって進歩・発展してきた」という考え方です。

本書のベースとなっている考え方で、いろいろな虚構を共有できたからこそ
文明は発展してきたというものです。

そう言われると、なんだか今の社会や人々の生活がとても不安定な、あやふやなものに
思えてきます。どういうことなんでしょうか?

「サピエンス全史」の日本語版は上下巻、前4部20章から成ります。

「虚構」というキーワードは、第1部から早々に登場し以降、本書の主張の根幹を成しています。

第1部では、数ある人類種の中からホモ・サピエンスが生き残り
世界を席巻できた理由が書いてあります。

それは、ホモ・サピエンスは他の動物、他の人類種にはない
「虚構の力」を信じることができたからだ、という主張です。

虚構の力って何?

続いて、虚構の力って何?というのが続いて書いてあります。

ここでいう「虚構」とは、宗教や神話は言うに及ばず、国家や企業などの
共同体、経済のシステムなど。

たとえば、人間が採集生活をしていたころ、一つの集団として維持できる規模の限界は
およそ150人程度と言われていました。

これは、狩猟や採集で調達できる食糧で賄えるの限界でもありますが
家族や近親者など、同じバックボーンを持つ人たちの範囲でもあります。

この範囲を超えて集団を形成しようとすると、構成する人々を
まとめるため、みんなが共有できる価値観や考え方などが必要とされます。

それを可能にしたのが宗教や神話であるということ。

そういった虚構の力で
集団の限界が拡大し、大規模な定住集落を形成することが可能となった、

というのが著者の見解です。

本書ではこの後、人類の進歩や発展に対してどのような役割を果たしたかが
時代を追って読み解かれていきます。

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サピエンス全史のコメント・書評・読書感想

これまで色々な歴史書が、各々の視点から人類の歴史を解説してきました。
本書もそのうちの一つですが、
 
発展を支えてきたのが虚構だというのは斬新ですね。
しかし、だからこそいまいち分かりにくい点もあるかと思います。

 

例を挙げると、解りやすいかと思います。

本書の中では、虚構に基づく発展を支えた重要な要素が
いくつか紹介されています。
 
その代表が
「通貨」です。
 
物々交換ではなかなか欲しいものが手に入らない、そのため
何とでも交換できる「何か」が必要。
ざっくり言うと、これが通貨の発祥です。
日本では千円、二千円、五千円、一万円の紙幣が流通していますね。
ふだん何気なく使用していますが、よーく考えると
すごいですよね。

 
おっさんの顔が書かれた小さな紙切れと交換で、食糧も
衣服も、生活に必要なものがなんでも手に入る。
しかし、この小さな紙それ自体は何にも使えませんし
紙自体が価値を持つわけではありません。
 
千円札が千円の価値を持つのは、日本国がそう保証しているからです。
その「虚構」を皆が共有できるからこそ、通貨というシステムが
維持できているといえるでしょう。
 
通貨それ自体も、通貨の価値を担保する国家も、人間の虚構の
産物だと解説しています。
 
人間同士の取り決めの上に成立している、言わば約束事ですが
ふだん私たちは、生活の中でそう意識することはほとんどありません。
 
あたりまえすぎて、改めて仕組みを理解しようとしたり、疑問を
もったりということはほぼ無いと思います。

 

「あたりまえ」が実は非常に特異なことだった、という視点を
我々に気づかせてくれる。
本書の特色はまさに、その点にあると思います。

 

そのうえで、著者は最後に、読者に対して重要な問いかけをしています。

簡単に答えられるものではない、人類の存続の話。幸せって何だろうというような話。

これは自分が問いかけられてすぐ答えが出てこない、考えさせるものでした。

 

 

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